重要文化財~九州最古の民家である千年家(横大路家)を訪れる(動画あり)
福岡県新宮町には、名所、旧所がたくさんあります。その中でも映画になった千年家は、国の重要文化財です。千年家(横大路家)には、ご当主ご夫妻が住んでいます。見学は午前8時からできますが、宅内で喫煙したり飲食しながらの見学はご遠慮くださいね。
お子様連れの場合は、走り回ったり大きな声を出したりして、はしゃがないようにお願いします。
マナーを守って楽しく見学してください。
このページでわかる情報
1300年前にタイムスリップ!動画で見る千年家
千年の歴史を見つづけた法火と千年家をご紹介
千年家の由来
千年という長い年月、かまどの火を一度も絶やすことなく代々守り続けてきた家。
それが福岡県新宮町上府にある通称「千年家」と呼ばれる横大路家住宅。
横大路家は「曲り屋」と呼ばれるL字型をした建物で、1977年(昭和52年)に九州では最古の民家として国の重要文化財に指定されました。
平成12年には、約2年間をかけて修復工事が行われました。その際に家に残っている資料や部材の加工痕を調査した結果、建築年代は17世紀中頃(1650年頃)にさかのぼります。
またこの家には、天台宗を日本に広めた最澄(伝教大師)にまつわる逸話が伝えられています。
西暦805年唐から帰国した最澄(伝教大師)は唐から帰国の途中、嵐に遭いながら、花鶴浜(今の古賀市)にたどり着き助けを求めるために独鈷を投げた所(新宮町の立花山)に居合わせたのが初代当主横大路源四郎でした。
最澄(伝教大師)は、布教のため横大路家祖先・源四郎の家にしばらく滞在しました。
最澄は、布教を終えて上洛する際に、滞在のお礼として唐から持ち帰った「法火」と、自ら彫ったという「毘沙門天像」、そして「横大路」の性と「岩井の水」という井戸を源四郎に授けました。
それ以来、1200年たった今もかまどの火種として「法火」は一度も消えることなく燃え続けています。
取材当時「法火」は、第44代当主、横大路文彦さん、千鶴江さん夫婦に受け継がれ、屋敷の板の間にある三連かまどで燃え続けています。 (すでにご夫婦は他界されています)
千年家を訪れると、千鶴江さんが板の間で、横大路家の由来について、わかりやすくお話をしていただきます。87歳のご高齢にかかわらず、とてもお元気です。
法火を守る千年家の当主
「法火」は、三連かまどの中に火種として保存されています、毎日朝夕には火が焚かれ岩井の水でたてたお茶が毘沙門天像に供えられます。この「毘沙門天像」は、毎年4月13日「御開帳祭り」の日だけ参観できます。
ご当主の文彦さんは子どもの頃から法火を絶やさないのは当然と思っていたどうです。奥様の千鶴江さんは、横大路家へ嫁入りした当初は、「法火」の由来も知らされず、教えられたとおり火を絶やさぬように注意してきたそうです。(写真下)
この「法火」は、有名な比叡山の親火であることから、とにかく火だけは気が抜けないと言うように「日帰りで外出はできても。家族一緒での旅行は難しい」と言われます。
また土間にある大きなかまど(写真下)は、毎年4月13日に開かれる「御開帳祭り」の時などに使われています。
「法火」をわけて欲しいと近所の方や観光客から言われるそうですが、ご夫妻は断られてきました。
「分けた火が、永久に燃え続けるとは限らない」という理由もありますが、先祖代々受け継がれてきた「法火」を守る責任と火に対する考えが一般とは異なるのです。
(写真下;文彦さんと千鶴江さんご夫妻)
この「法火」は、平成15年に新宮町が製作した映画「千年火」の題材となりました。それ以来、外国や遠方からの見学が増えてきました。
1200年にわたり新宮の歴史ととももに燃え続けている「法火」は、すでに45代(ご子息)46代当主(お孫さん)に受け継がれることが決まっています。
千年家の造り(構造)
千年家は、釘1本を使っていない造りです。改築の時にも、宮大工さんが福岡や大分から駆けつけ、屋根の茅は、わざわざ阿蘇から取り寄せています。
基礎工事も だご石を積み重ねた本当の手つくりです。
屋根の梁は建築当初の梁をそのまま使用しているために、改修時にはパイプを入れて補強しました。
千年家に行くには
千年家は、福岡県粕屋郡新宮町上府420が所在地です。
博多(上り)北九州(下り)から号線を通ってきます。
上府信号を右折して500m進むと看板が出ています。看板の矢印に沿って進みます。
直進して突き当りを左折して進むと案内板が見えてきます。看板の手前左側に無料駐車場やトイレがあります。
ここにくると1200年前にタイムスリップした感じを受けます。
【千年家へのアクセス】
- 福岡県粕屋郡新宮町上府420
- JR筑前新宮駅からタクシーで10分
- 西鉄バス「上府」下車して、徒歩40分
- マイカー国道3号線「上府」右折して5分
【千年家見学について】
- 見学時間 午前8時から午後5時まで
- 見学料 無料
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